荒木町長、責任回避と自己弁護に終始 議会からはNO 鹿児島県屋久島町・補助金申請うそ記載問題
荒木町長、自らの「前払い」決裁に触れず 町議全員が決算を不認定
特別委の榎委員長、「町長はじめ職員の責任は多大」と批判
「認定」→「不認定」の岩山鶴美町議は翻意の理由に沈黙
「不可抗力」「やむを得ない」「予想のできない事案」── 。補助金申請うそ記載問題を審議する12月7日の鹿児島県屋久島町議会の12月定例会本会議で、同町の荒木耕治町長の口から出たのは、責任回避と自己弁護の言葉だった。荒木町長は、うその「工事完成日」が記載されていたことを知りながら、工事が終わったことすら確認することなく、押印して業者への「前払い」を執行した事実には言及しなかった。この日の議会では、問題の工事に関する決算も審議され、議長を除く15人の町議全員が不認定の判断を下した。うそを書いてもいいのか、悪いのか。今後は町トップの責任問題が焦点になる。
問題となった工事の決算に対し、全町議が反対したことを示すモニター
榎光徳委員長、厳しい言葉で荒木町長を批判
12月定例会の開会日の前半で、10月に事前審査をした決算審査特別委員会の榎光徳委員長が登壇し、特別委員会で関連議案を不認定にしたことについての委員長報告をした。
「一部職員の不適切な対応により、多くの町民や町内外に大きな失墜を与えた」と町側の対応を批判。榎委員長は、今回の問題の第一義的な責任は業者側にあったとしながら、「それを監督する町長はじめ職員の責任は多大だ」と指摘した。
委員長報告としては異例とも言える厳しい言葉が並んだ。
その上で、詳細な調査と再発防止策を町側に求め、荒木町長に“宿題”を課した。荒木町長がこの“宿題”にどう対応するのかも注目だ。
委員長報告の後、問題となった水道工事の決算議案の採決が行われ、不認定の結論になった。議長を除く全町議15人が認定反対だった。
決算審査特別委員会の委員長報告をする榎光徳委員長(2021年12月7日、屋久島町議会)
荒木町長は釈明に終始、自身の責任は語らず
榎委員長の委員長報告に先立ち、荒木町長がこの問題について説明した。
適切な事務手続きが行えなかった要因について、「口永良部島での実施で協力支援が受けにくい状況だったことに加え、新型コロナウイルス感染症の発生など予想できない事案が重なった」と釈明。しかし、うその報告をした事実を国に伝えなかったことや、工事が未完成の段階で、工事代金の支出命令書に押印して決裁した自身の責任については、一切触れなかった。
今回の不認定で決算自体が無効になることはないが、地方自治法に従って、荒木耕治町長は再発防止策などを講じ、その内容を公表しなくてはならない。
補助金申請うそ記載問題で、町議会に報告する荒木耕治町長(2021年12月7日)
特別委で「認定」の岩山町議は一転、「不認定」
問題となった決算をめぐっては、10月28日の特別委であった採決で、委員長を除く7人の委員のうち6人が不認定と判断した一方、岩山鶴美町議だけが「認定」としていた。関係者によると、岩山町議は「もう工事も終わっているし、町民に迷惑をかけてもいないので、認定していいのではないか」と話したという。
ところが、この日の採決で岩山町議は一転して「不認定」に回った。閉会後、屋久島ポストは判断を変えた理由を尋ねたが、岩山町議は私たちを振り切って議場から立ち去り、「すみません」とだけ声を発した。理由については何も答えなかった。