百条委否決で約束破り:【検証 屋久島町政】(7) 出張旅費不正問題
搭乗記録の提示、JALと協議せず
荒木町長「根拠がはっきりしない」「対応するつもりはない」
(この検証シリーズは毎週火曜日に掲載します)
屋久島町の荒木耕治町長による出張旅費の着服疑惑。その不正調査をする百条委員会の設置案が2019年12月17日に町議会に提案され、反対多数で否決されました。
百条委員会の設置案が否決された後、報道陣の取材を受ける荒木耕治町長(2019年12月17日)
そして、閉会後に報道陣に囲まれた荒木町長は、搭乗記録を出すか否か「JALと協議する」と約束した件について、「今のような根拠がはっきりしないものに対して、私は対応するつもりはない」と発言しました。つい1週間前、町議会の一般質問で「JALと協議する」と答弁していたのに、どうしたことでしょう。
出張旅費不正などを調査する百条委員会の設置案は、反対10人、賛成4人で否決された(2019年12月17日)
全町議のうち、10人もの大多数が百条委員会の設置に反対したため、着服の事実は隠し通せると、荒木町長は自信を深めたのでしょうか。
質問を続ける報道陣を引きずるように歩く荒木町長は、シルバー割引の利用について明確に答えず、最後は無言で町長室に入っていきました。
町議会でシルバー割引の利用を否定する荒木耕治町長(2019年12月10日)
百条委員会の設置案が否決され、この時点では、町議10人に守ってもらった形です。しかし、実際には頻繁にシルバー割引を利用して、5年間で約200万円も着服していたのです。
▶今回のポイント
・百条委員会の否決を受け、町長が報道取材に応じた
・搭乗記録の提示について、JALとは協議しない意向を示す
・不正を目撃した住民の証言に「根拠がはっきりしない」
今回は、2019年12月19日に掲載した記事「百条委員会が否決 屋久島町長がJAL搭乗記録を出さない意向示す」をみてみましょう。
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屋久島町の荒木耕治町長に対して、町事業への参入を目指す業者が現金200万円を提供したと主張していることや、荒木町長が航空運賃のシルバー割引を利用して「出張旅費を着服している疑いがある」と指摘されている問題をめぐり、屋久島町議会は12月17日、百条委員会(調査特別委員会)の設置を求める決議案を反対多数で否決した。
百条委員会の設置案が否決された後、報道陣の取材を受ける荒木耕治町長(2019年12月17日)
議会後、報道各社の取材に応じた荒木町長は、否決の結果について「議会の判断なので、私がとやかく言うことではない」と述べた。出張旅費着服の疑惑をめぐり、議会で提出を求められていた搭乗記録については、「まだ、JAL(日本航空)とは協議していない」とする一方、記録を開示する意思がないことを明らかにした。
12月10日の町議会一般質問で、小脇清保町議から搭乗記録の提出を求められた荒木町長は、「個人情報」を理由に提示を拒否。「公務出張の記録は個人情報ではない」と追及されると、「JALと協議する」と答弁していた。
【動画】出張旅費不正問題などを調査する百条委員会が否決された後、報道陣の取材を受ける荒木耕治町長
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▶今回の教訓:多数決でもうそは守れない
不正を調査する百条委員会は、荒木町長の議会答弁を信じる町議10人によって、設置が見送られました。この10人は、議会や取材に対して、荒木町長がうそを言っているとは思っていなかったのかもしません。
でも、実際には、荒木町長は何度もシルバー割引を利用して、普通運賃との差額を着服していました。これは、不正を告発する住民の証言に耳を傾けず、権力者である町長の発言を一方的に信じた結果です。
旅費不正問題などを調査する百条委員会の設置案に反対して討論する岩山鶴美町議(2019年12月17日)
旅費不正問題などを調査する百条委員会の設置案に反対して討論する榎光徳町議(2019年12月17日)
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