鹿児島県屋久島町が補助金返還に応じる方針 補助金申請うそ記載問題

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修正した報告書を厚労省に提出

荒木町長「国から催告の連絡があり次第、返還手続きを行う」

 鹿児島県屋久島町が同町の水道整備工事で国に補助金を申請する際に、うその「工事完成日」などを報告して補助金を受け取った問題をめぐり、同町が厚生労働省から補助金返還の催告があった場合、応じる方針を固めたことがわかった。荒木耕治町長が「うそ」の報告を知りながら問題を放置していたことが調査報道メディア「屋久島ポスト」の取材で判明しており、町トップの責任は免れないことになった。
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うその「工事完成日」などを国に報告した問題を受けて、国への補助金返還などについて説明する荒木耕治町長(2022年3月8日、屋久島町議会)

さらに複数の工区で虚偽報告

 荒木町長と町生活環境課によると、町は、補助金受給の要件だった最終工期の2021331日時点における実際の工事の進捗状況を確認し、修正した事業実績報告書を31日付で鹿児島県を通じて国に提出。現場写真や納品書など「客観的に判断できる資料」を確認した結果、問題となった5工区以外にも、産業廃棄物の未処理や、水道管の通水検査が終わっていなどの問題が見つかったため、「(補助金)返還の対象として広がる予定」という。

 荒木町長は38日に開会した町議会で「国から(補助金返還の)催告の連絡があり次第、返還にかかる諸手続きを行う予定なので、予算審議などのご協力をお願いいたします」と述べた。また、同課の矢野和好課長も屋久島ポストの取材に「町として補助金返還は免れないと判断した」と答えた。

検査調書2

屋久島町が国に提出した水道工事の検査調書。工事は終わっていなかったが、「契約図書に基づき良好に施工されている。(合格)」と手書きで記載されていた

当初は「新型コロナで遅れた」などと釈明

 この工事は同町の口永良部島の老朽化した水道設備を新しくするため、国の補助金を受けて2020年度に実施された。補助金を受ける条件として、2020年度中の20213月末日までに工事完成検査をして、すべての工事を終わらせることが定められていた。

 しかし、屋久島ポストが取材したところ、実際の工事が終わったのは20219月だったにもかかわらず、町が同年3月に工事が終了したとする虚偽の報告を国にしていたことが判明したため、2021119日に初報を配信した。それに対し、当初、荒木町長や町幹部は「新型コロナウイルス感染症の発生など予想できない事案が重なった」などと釈明。だが、その後の屋久島ポストの取材で、「工事完成日」に加えて「工事完成検査日」もうそだったことや、工事が終わっていないことを知りながら、国から補助金を受け取り、それを工事請負代金として業者に前払いしていたことなども明らかになっていた。

虚偽文書3
屋久島町が国に提出した工事の検査調書。工事完成日が「令和3年3月19日」などと記載されているが、実際に工事が終わったのは6カ月後の9月だった


荒木町長は「うそ」を放置

 この問題をめぐっては、町が国にうその「工事完成日」を報告したことについて、荒木町長が20214月に事実を確認したにもかかわらず、その後も国に報告せず、約7カ月間にわたって放置していたことも判明。さらに、荒木町長は同年5月、工事が終わっていない段階で、業者に工事請負代金を前払いする「支出命令書」に決裁印を押していた。

 38日の町議会では、新年度に向けた施政方針演説で、荒木町長は「(町役場が)報告、連絡、相談という基本的なことができない非常に風通しの悪い組織になっている」と述べ、今後は役場全体で情報を共有できる体制にしたいとした。

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