海底清掃、2024年度は地元団体と契約の方針 屋久島町・環境保全プロジェクト
東京の業者、2年間は独占的に「特命随意契約」➡「地元が主体で活動すべき」町議の指摘などで町が方針変更
海底ごみを回収するダイバーたち(屋久島町YouTubeチャンネルの動画「海・山・川の繋がりで豊かな屋久島の自然を守るプロジェクト」より)
ふるさと納税の寄付金を活用して、屋久島町が2022年度から続ける海底清掃事業をめぐり、2024年度からは町が地元の団体などに業務を委託する方針であることが3月27日、町担当課への取材でわかった。これまで2年間は、東京の業者が独占的に業務を請け負う「特命随意契約」で町と契約。だが、町議会で「地元の団体や住民が主体になって活動すべきだ」と指摘されたことなどを受けて、町が業務の委託先を屋久島町内で探すことになった。
町、複数業者による競争入札なく契約
町が実施しているのは、海底清掃を主体とする環境保全事業だ。旅行大手JTBの出版部門を担う関連会社「JTBパブリッシング」(本社・東京)が企画を提案し、潜水業務などを専門とする「オーシャナ」(本社・東京)が海底清掃を担当。町との特命随意契約については、2022年度はJTBパブリッシング、2023年度はオーシャナが締結し、町は複数の業者による競争入札をすることなく業務を委託。2024年度についても、オーシャナが海底清掃を担当する見込みだった。
屋久島町が続ける環境保全事業で回収された海底ごみ。町は町議会での報告で、2022年11月24日は1日で5000キロ相当のごみを回収し、産業廃棄物として処分したとしている(屋久島町YouTubeチャンネルの動画「海・山・川の繋がりで豊かな屋久島の自然を守るプロジェクト」より)
委託先、ダイビング事業者組合や観光協会が候補
事業を担当する観光まちづくり課によると、2024年度の海底清掃について町は、これまで独占的に業務を担当してきたオーシャナではなく、地元の団体などと契約することに方針を変更。その理由として、町議会の一般質問で「地元の団体や住民が主体になって活動すべきだ」と指摘されたことや、町役場内に「地元で持続可能な形の事業にしていきたい」という意見があることを挙げて、「総合的に判断した結果だ」としている。
現在、同課は町内で業務の委託先を探しており、「屋久島スキューバダイビング事業者組合」や「屋久島観光協会」などが候補に挙がっている。具体的な予算額や事業内容は未定だが、委託先が決まった段階で、2024年度の補正予算案を町議会に提案するという。
1700万円のうち1165万円が広報費
同事業をめぐっては、2022年度の総事業費1700万円のうち、その約7割にあたる約1165万円が海底清掃そのものではなく、清掃活動を広報する動画と観光パンフレットの制作に支出されていたことが判明。また、海底で清掃した潜水時間が計2時間だったことや、実際に集めたごみの量や廃棄実費が未報告だったことがわかっている。
町と業者、ごみの量や廃棄実費を回答せず
それらを踏まえ一部の町議は、町が続けるJTBパブリッシングやオーシャナとの特命随意契約などを疑問視。町と業者に対して、実際に回収したごみの量や廃棄実費を尋ねているが、これまで明確な回答は得られていない。