海底清掃問題

【特報】総事業費、町が自ら提案して1500万円から1700万円に増額 屋久島町海底清掃事業

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JTBパブリッシングの参考見積書は約1500万円 町側から200万円増額を提案、約1700万円で特命随意契約

町、参考見積書の内訳は黒塗りで非開示
フロント写真

【上段・左】海底清掃事業を請け負ったJTBパブリッシングが入るJTBグループのロゴとスローガン【上段・中、右】「屋久島町ふるさと納税」と屋久島町のロゴ(町ウェブサイトより)
【中段】JTBパブリッシングが2022年5月10日付で町に提出した総事業費1480万7650円となる参考見積書の一部(モザイクは屋久島ポストが加工)
【下段】JTBパブリッシングが2022年7月11日付で町に提出した総事業費1698万9918円となる見積書の一部(同)


 ふるさと納税で「屋久島の自然を守って欲しい」と寄付された1700万円を活用して、屋久島町が2022年度に実施した海底清掃を主体とする環境保全事業で、総事業費の大半が海底清掃そのものではなく、屋久島の観光情報を紹介するガイド冊子や動画の制作費に支出された問題――。

 この事業の予算案を作成する際に、業務委託先に内定していた業者が提出した約1500万円の参考見積書に対し、町が自ら約200万円増額することを提案していたことが、屋久島ポストの取材でわかった。その後、町は一般競争入札を実施することなく、同社と総事業費約1700万円で特命随意契約を結んだ。町側から約200万円の増額を提案した理由について、町は取材に「どこまで説明していいのか、いま代理人弁護士に相談している」としている。
参考見積書
JTBパブリッシングが2022年5月10日付で町に提出した総事業費14807650円となる参考見積書。屋久島町は内訳を全面黒塗りして開示した(モザイクは屋久島ポストが加工)

町、1700万円は「予算の範囲内」として特命随意契約

 町が実施したのは、海底清掃を主体とする「海・川・山の繋がりで豊かな屋久島の自然を守るプロジェクト」で、旅行大手JTBの出版部門を担うグループ会社のJTBパブリッシング(本社・東京都江東区)が企画を提案した。

 屋久島ポストが町の情報公開制度で入手した記録文書によると、JTBパブリッシングは2022510日付で、総事業費を14807650円とした参考見積書を提出。それに対し、町は自ら約200万円を増額して、1689万円7650円にすることを提案した。その後、同社は711日付で16989918円の見積書を提出し、町は予算額として想定していた約1700万円の範囲内だったとして、713日に同社と特命随意契約を結んだ。
JTB見積書
JTBパブリッシングが2022年7月11日付で町に提出した総事業費1698万9918円となる見積書(モザイクは屋久島ポストが加工)

町「どこまで説明していいのか」弁護士に相談中

 町側から約200万円の増額を提案した理由について、担当の観光まちづくり課は屋久島ポストの取材に対し、「住民訴訟が提起された案件なので、どこまで説明していいのか、いま代理人弁護士に相談している。メールも送っているが、まだ返信がないので回答できない」としている。

 JTBパブリッシングが提案した事業費の見積もりをめぐっては、町は202310月に参考見積書と見積書の内訳を黒塗りして開示した。その後、屋久島ポストが再開示を求めたところ、町は見積書の内訳を全面開示。一方、参考見積書については、屋久島ポストが再開示を請求しなかったため、内訳の詳細はわかっていない。

 参考見積書の内訳を全面開示できるか否かについて、同課は「代理人弁護士からの回答を待っているので、どこまで開示できるか回答できない」としている。

この事業に対しては、屋久島町議会の渡辺千護町議が20248月に住民訴訟を提起。海底清掃事業への支出はふるさと納税の寄付金の使途を定めた「屋久島町だいすき寄附条例」に違反しているなどとして、事業に支出した16989918円を荒木耕治町長ら町幹部3人に損害賠償請求するよう町に求めている。

 

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