海底ごみの総量と廃棄実費、町議にも答えないJTBパブリッシング 屋久島町・環境保全プロジェクト
寄付金1700万円で海底清掃、町議「具体的に答えないのは、全国の善意を裏切るような対応」
3月定例会で説明を求める構え
【左上】屋久島町「ふるさと納税」のロゴ(町ウェブサイトより)【右上】海底清掃で回収されたごみの写真。屋久島町の委託業務として、業者が配信したウェブサイト記事に掲載されている(ocean+α「ふるさと納税で屋久島の海をきれいに! ダイバーたちが世界遺産の海を次世代に繋ぐ」より)【下】屋久島町役場
ふるさと納税で「屋久島の自然を守って欲しい」と寄付された1700万円を活用して、屋久島町が2022年度に実施した海底清掃を主体とする環境保全事業で、総事業費の大半が海底清掃そのものではなく、清掃活動を広報する動画と観光パンフレットの制作費に支出されていた問題――。
この問題を調査している同町議会議員に対し、町から業務を委託されたJTBパブリッシング(本社・東京)が、実際に回収したごみの総量や廃棄費用について、詳細な説明を避けていることがわかった。同社に質問状を送付した町議は「寄付金で海底清掃をしているにもかかわらず、何も具体的に答えないのは、全国から寄せられた善意を裏切るような対応にみえる」と批判。近く始まる3月定例会で、町執行部に詳細な説明を求める構えだ。
JTBパブリッシングのウェブサイト画面
町議「ゴミ総量と処分方法、廃棄費用」を質問
同町議会の渡辺千護町議と真辺真紀町議が2月8日に質問状を送付し、同社ブランド戦略室から2月26日に回答があった。
両町議によると、同事業で集めたごみについて、まず初めに「ゴミの総量(重量など)及びその具体的な処分方法、そして廃棄に要した処分費用」を質問。それに加えて、海底清掃を実施した2022年10月27日と11月24日の2日間について、それぞれの日に集めたごみの総量を尋ねたという。
JTBパブリッシング、ごみ総量を示さず 再委託の別業者が「適正に処理」
それに対し同社は、海底清掃の業務を再委託した別業者が「適正に処理」しているとしたうえで、ごみの「重量や回収総量」についても、その別業者が管理していると説明。同社が自ら別業者に事実確認をすることなく、具体的なごみの総量や処理方法について回答を避けたという。
また、実際にかかった廃棄費用について同社は、同事業の業務委託契約が単価や数量に左右されない「総価契約」であることを理由に、「実費精算は必要ない」と主張。それを踏まえ、「したがって、個々の内訳については回答を控えさせていただきます」として、ごみ廃棄に支出した実費についても、具体的な説明を一切しなかったという。
海底清掃で回収されたごみの写真。屋久島町の委託業務として、業者が配信したウェブサイト記事に掲載されている(ocean+α「ふるさと納税で屋久島の海をきれいに! ダイバーたちが世界遺産の海を次世代に繋ぐ」より)
実施報告書、清掃の潜水は計2時間 ごみ総量と廃棄実費は示さず
同事業をめぐっては、同社が2023年3月に提出した実施報告書を屋久島ポストが入手し、実際に海底で清掃した潜水時間が計2時間だったことが判明。さらに、回収したごみの総量や廃棄費用なども示されていないため、屋久島ポストが同社に取材したが、具体的な回答は得られなかった。
町議「業務を再委託した別業者に事実確認をすべき」
同社が具体的な説明を避けていることに対し、真辺町議は「1700万円もの寄付金を使って海底清掃をしているにもかかわらず、実際に集めたごみの総量や廃棄費用について、何も具体的に答えないのは、全国から寄せられた善意を裏切るような対応にみえる」と批判している。
さらに、渡辺町議は「町と業務委託契約を結んだJTBパブリッシングには、業務を再委託した別業者に事実確認をする責任がある」と指摘。3月7日に開会する3月定例会の一般質問で、町執行部に詳細な説明を求めるとしている。