「注意」から一転して略式起訴の異例な事件 屋久島町議アパート廃材・投棄焼却事件

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ごみのポイ捨て罰金条例の提案から4年 岩山町議が不法焼却で略式起訴されるまでのタイムライン

タイムライン

【左上】町議会で発言する岩山鶴美町議【左下】岩山町議が廃棄物を焼却処分した現場(2021年1月5日、町民提供)【右】岩山町議が投棄した廃棄物(2020年9月14日、同)


「ごみのポイ捨てに罰金を科す条例の制定を!」「正月を前に汚いままではいけないと思い、魔が差して(燃やして)しまった」「罰金命令が出るだろうと覚悟していたが、検察から電話で注意されて終わった」――

 屋久島町議会の岩山鶴美町議(66)が自身で経営する賃貸アパートのリフォーム廃材を不法に焼却したとして、廃棄物処理法違反の罪で略式起訴された問題は、一度は「検察から注意されて終わった」はずの事件が再捜査となり、一転して略式起訴となる異例の展開となった。さらに、廃棄物を不法投棄する1年前の町議会では、岩山町議はごみを捨てる町民が多いと批判したうえで、ごみのポイ捨てにも罰金を科する条例の制定を提案。罰金を科せば町民のマナーが良くなると訴えた現職町議が、自ら廃棄物を焼却して罰金を科される前代未聞の事件となった。

 岩山町議がごみのポイ捨て罰金条例を提案した20199月の町議会からまもなく4年。2023年721日に略式起訴されるまでの経緯をタイムラインで振り返る。

「不法投棄は犯罪」と訴え、ごみのポイ捨て罰金条例を提案(2019913)

 町議会9月定例会の一般質問で、岩山町議はごみのポイ捨てにも罰金を科する条例の制定を荒木耕治町長に提案。「そもそも不法投棄というのは犯罪に当たり、法律で禁止されていて、決して許されない行為。5年以下の懲役または1000万円以下の罰金が科せられる」としたうえで、「警察によると、最近、数件、すごいたちの悪い不法投棄があった。どこの集落とは言わないが、罰金を科せられて検挙したということだ」と報告した。そして、罰金条例があると「子どもたちにも周知されて、罰金を払わないといけないということで、子どもも捨てないと思う」などと訴えた。

岩山町議①
2019年9月の屋久島町議会の一般質問で、「不法投棄というのは犯罪に当たる」と説明する岩山鶴美町議

賃貸アパートのリフォーム廃材を投棄(2020年夏)

 岩山町議が町東部の安房地区で所有する賃貸アパートのリフォーム工事を実施。大量の廃材を同地区内にある親族が所有する私有地に投棄した。

町民が廃材の投棄現場を目撃(2020914)

 岩山町議が廃材を投棄した現場近くを通りかかった町民が、ドアや窓枠、壁紙などの廃棄物が山積みにされているのを目撃。不法投棄の疑いがあるとして、証拠写真を撮ったうえで、屋久島警察署に電話で通報した。

 その後も複数の町民が投棄現場を目撃したが、屋久島署が捜査をした形跡はなかった。

1.令和2年9月14日現場①
岩山鶴美町議が投棄した廃棄物(2020年9月14日、町民提供)

廃棄物を焼却処分(202012)

 岩山町議がリフォーム廃材を焼却処分。畳や廃材の一部が燃え残り、現場には真っ黒に焦げた焼却跡が残った。

町民が焼却現場を目撃(202115)

 岩山町議が廃棄物を焼却処分した現場を町民が目撃。不法焼却の疑いがあるとして、証拠写真を撮ったうえで、再び屋久島署に電話で通報した。町民は前年9月以降の捜査状況を尋ねたが、同署の担当者からは「警察としては一生懸命にやっている。それ以上はお話しできない」との説明があったという。

トリミング)2.令和3年1月5日現場②-1
岩山鶴美町議が廃棄物を焼却処分した現場(2021年1月5日、町民提供)

町民が焼却現場で警察の黄色いテープを確認(2021212)

 廃棄物の焼却現場を目撃した町民が再び現場を訪ねると、黒い焼却跡の手前にある立ち木に「立入禁止」の黄色いテープが張られているのを見つけた。町民は警察が捜査をしたと考え、再び屋久島署に確認の電話をしたところ、同署の担当者からは「警察としては一生懸命にやっている。それ以上はお話しできない」との説明があった。そして町民が「私から告発状を出す必要はないか」と尋ねたところ、担当者は「その必要はない」と答えたという。

警察テープ
廃棄物の焼却現場に張られた「立入禁止」の黄色いテープ(2021年2月12日、町民提供)

通報した町民が捜査状況を確認できず(20216)

 廃棄物の焼却を通報した町民が屋久島署に電話をして、捜査状況を確認しようとした。だが、同署の担当者からは「警察としてはできる限りのことをしている。それ以上はお話しできない」と伝えられたという。

岩山町議が町議会で不法焼却を認める(202179)

 岩山町議は町議会全員協議会で不法投棄について質問を受け、「燃やしたっていう経緯は事実であります」と答えて、賃貸アパートのリフォーム廃材を焼却処分したことを認めた。さらに、警察と検察の捜査を受けたことも認めたうえで、「(検察から)注意を受けました。罰金とかなくですね。以後気をつけたいと思います」と述べた。

町議会が岩山町議の調査を求める陳情を却下(2021812)

 岩山町議による不法投棄焼却について調査を求める陳情書が町議会に出されたが、議会運営委員会は却下の判断をした。

その理由として、委員の石田尾茂樹町議は「先ほど本人が説明したが、(町から)許可を得ていたということで、厳重注意に終わったということであれば、この陳情を取り扱うことに賛成しがたい」、日高好作町議も「一部燃やした行為は本人も認めているけれど、警察の捜査は受けたが、不法投棄に当たるのかどうかと思う。ちゃんと許可を得ていた点では、問題があるとは思わない」と述べた。

だが、実際には岩山町議は町から許可を得ておらず、一部の町議に虚偽の説明をしていた。

屋久島ポストが不法投棄焼却事件を報道(202221)

 屋久島ポストが現職町議による不法投棄焼却事件について報道。岩山町議は取材に「廃棄物を燃やすことは違法行為にあたるという認識だった」と説明。さらに、焼却した時期が202012月末で、工事業者の誤解などで仮置きした廃棄物が残されたため、「正月を前に汚いままではいけないと思い、魔が差して(燃やして)しまった」と話した。

 また記事では、過去に不法な投棄や焼却で罰金命令を受けた複数のケースを紹介し、住民から「なぜ町議は注意なのか。それが事実なら不公平な捜査だ」といった批判の声が出ていることを伝えた。

屋久島ポスト初報
岩山町議の不法投棄焼却事件を報じた屋久島ポストの記事(2022年2月1日付)

町民が鹿児島地検に刑事告発(202227)

 現職町議の処分が罰金ではなく「注意」で終わったことに対し、過去に不法な投棄や焼却で罰金命令を受けた住民から批判の声が出ていることを受けて、現場を目撃した町民が岩山町議を廃棄物処理法違反の疑いで鹿児島地検に告発した。

鹿児島地検が岩山町議を略式起訴(2023721)

 鹿児島地検が岩山町議を廃棄物処理法違反の罪で略式起訴。告発した町民が検察官から電話で報告を受けた。

岩山町議「略式起訴に同意していない」(202381)

 岩山町議が屋久島ポストの取材に「略式起訴には同意していない」と回答。さらに検察官には会ったが、何も話していないと説明した。

●【動画】で検証 岩山鶴美町議の議会発言 犯罪性を認識

「不法投棄は犯罪に当たる」「世界に通じるきれいな屋久島を」… その1年後に廃棄し焼却
2022年3月10日配信



【動画】2019年9月の屋久島町議会の一般質問で、ごみのポイ捨てや不法投棄に罰金を科す条例制定の提案をした岩山鶴美町議



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  1. 権威の喪失

    暴力やセクハラ等は当然の事ではあるが、最近では暴言で、責任を取って辞職して居る議員がある。今回のケースは当然の事ながら辞職に価する不始末である。
    此れで辞職がなければ、議会の権威は勿論の事、本人の議員としの権威も価値も喪失する。
    けじめは着けて下さい。

  2. 有権者1

     【他人に対して厳しい人間は、己に対してそれ以上に厳しくなけりゃいけない】
      それが出来ない人間は、他人をとやかく言ってはならんし言う資格はない、それだけです
      潔く身を引けと言います。

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