あす10月19日 損害賠償7000万円求め町を提訴 屋久島町営牧場 過重労働死問題

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労災専門の遺族側代理人「長時間労働(過重労働)隠しがあった事案」 町「過重労働はなかったという認識」

代理人弁護士と遺族支援の会が記者会見も
あす記者会見①

【左】屋久島町の荒木耕治町長(あらきこうじ後援会ウェブサイトより)【右上】鹿児島地裁と法廷(裁判所ウェブサイトより)【右下】屋久島町職員が過重労働で死亡した町営長峰牧場の衛星写真(グーグルアースより)


 20198月に屋久島町営の長峰牧場で町職員の田代健さん(当時49)が公務中に死亡し、過重労働による公務災害と認定された問題を受けて、田代さんの遺族は1019日、屋久島町(荒木耕治町長)を相手取り、約7000万円の損害賠償を求めて鹿児島地裁に提訴する。提訴前には、代理人弁護士と遺族を支援する住民有志の会が鹿児島県庁で記者会見し、町が公務災害の認定理由を否定していることなど、提訴に至った経緯や訴訟の方針などについて説明する。

トヨタ・パワハラ自殺の和解など労災問題が専門の代理人

 遺族側の代理人を務めるのは、労働災害の問題を専門に扱っている立野嘉英弁護士(大阪弁護士会)。トヨタ自動車の社員が上司のパワーハラスメントで自殺した問題では、20199月に労働災害が認定されたことを踏まえ、遺族の代理人として、損害賠償請求訴訟を提起する方針を報道で公表した。それを受け、トヨタの豊田章男社長(当時)が遺族と面会して直接謝罪したうえで、20224月に訴訟を経ることなく和解が成立し、トヨタが解決金(金額は非公表)を支払い、人事制度を見直すなどの再発防止策を講じている。

公務災害「過重労働で心筋梗塞を発症して死亡」と認定

 田代さんの死因をめぐっては、地方公務員災害補償基金の鹿児島県支部が今年2月、過重労働で心筋梗塞を発症したことによる公務災害と認定。雇用主である町の勤務管理体制について、「時間外勤務を含めた業務配分を現場の職員に任せ、そもそも業務命令権者として主体的に勤務時間を管理する体制になっていなかった」などと判断している。

町「過重労働はなかった」と認定理由を否定

 一方、荒木町長ら町幹部は「町としては、過重労働はなかったという認識」「時間外勤務が必要だったという認識はない」などと主張して、同基金の認定理由を真っ向から否定。荒木町長は、公務災害の認定後も遺族に謝罪や慰問をしておらず、町議会などで公務災害についての報告もしていない。

死亡するまでの半年間で休日は5

 同基金の報告などによると、田代さんは死亡する3日前までに連続で約50日間の勤務をしており、亡くなるまでの半年間で取得できた休日は5日で、長時間の時間外勤務が常態化していた。また町は、田代さんら牧場職員2人の勤務時間について、110時間ほどだったにもかかわらず、雇用契約上は労働基準法に違反するため、勤務日誌に16時間半と記載するように指示していたという。

 今回の訴訟について、立野弁護士は「見かけ上の労働時間を過少申告させたうえでの、長時間労働(過重労働)隠しがあった事案であり、屋久島町に対して、組織としての責任を追及する裁判となる」としている。

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  1. 安房よかにせ

    裁判の結果は、荒木耕治町長と屋久島町役場の管理職を含む職員が、いかに人間味のかけらもない非情な集団かという事実を、世間に知らしめることになると確信しています。
    立野嘉英弁護士さんには、ご遺族の方々のためにも辣腕をふるっていただき、この裁判の原告勝訴をぜひ勝ち取ってください。

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