【取材後記】屋久島町議会は町の業者を見捨てるのか?/編集委員会
補助金不正請求の責任、町議会の力で究明を
これまで、何度この議会答弁を聞いたことでしょう。不正や不祥事の原因を究明する第三者委員会の設置を求められる度に耳にした、屋久島町の荒木耕治町長の発言です。
「議員の意見を踏まえて、庁内で検討する」
入山協力金3000万円の横領事件、山海留学の児童に対する体罰問題、そして、荒木町長ら町役場や町議会の幹部による出張旅費の不正着服・・・・・・。
どれも、屋久島町の社会的な信用を損なう問題ばかりでしたが、荒木町長が「検討」の結果を議会で報告したことはなく、今のいまでも、うやむやにされたままです。
町長を問いたださない町議会
これは、地方自治体のトップとして、極めて無責任な対応です。でも、それと同じく問題なのは、町長が約束した「検討」の結果を聞くことなく、そのまま放置している町議会の姿勢です。町民の代表として、荒木町長を監視する立場にあるのですから、何度でも町長に「結果」を問いただし、第三者委員会の設置を求め続けなくてはなりません。
町、複数の違法行為でも「身内調査」
そして、いま問題になっている水道工事の補助金不正請求事件でも、荒木町長は第三者委員会による調査を求められています。国への虚偽報告は言語道断ですが、なかでも特に問題なのは、工事が終わっていないにもかかわらず、町が総額3770万円もの工事代金を業者に前払いしたことです。この不正は地方自治法に違反しているだけでなく、刑法の虚偽有印公文書作成・同行使の疑いもあり、第三者による調査は必要不可欠です。
ところが、いま町が設置している「水道工事管理検討委員会」は、全6人の委員のうち、5人が町役場の幹部で、残り1人も問題の工事に参加した地元業者の社長です。これでは全員が「身内」であり、客観的な調査ができるはずもなく、有効な再発防止策を講じることはできません。
町議会は業者の声を聴くべき
今回の問題で、町は厚生労働省から補助金の返還命令を受けて、計約1668万円を国に返納しました。そして、その法的な責任は業者にあるとして、返還した全額を業者に請求すると町議会で明言しています。
果たして、屋久島町民の代表が集う町議会は、このまま町の主張を認めるのでしょうか?
第三者委員会による調査もなく、一方的な町の主張だけで、その「法的な責任」を業者に押し付けていいのでしょうか?
この工事に関わったのは町内の複数の業者です。つまり、昨秋の町議選で一票を投じ、荒木町長や町役場の監視役として、町議の皆さんを町議会に送り込んだ有権者です。
6月の議会前には、町は検討委員会での協議を終えて、「身内」だけで決めた再発防止策をまとめる予定です。さらに6月議会では、返還金の損害賠償請求に向けて、町の代理人となる弁護士と契約する予算案が提出されるでしょう。
町議会は、今すぐにでも、工事に関わった業者の声を聴くべきです。もしも、このまま何も動かなければ、町の一方的な主張が通り、町民である複数の業者が全責任を負わされることになります。
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