【Review 2022】屋久島町政の不正を報じた1年 <1月~6月>
国から補助金1668万円の返還命令、現職町議の不法投棄に虚偽領収書、フリー排除で「閉ざされた町議会」・・・・・・
補助金不正請求事件から虚偽領収書を使った出張旅費不正、そして荒木耕治町長の交際費問題・・・・・・。
2022年、屋久島ポストは屋久島町政をめぐる諸問題を1年にわたって報じました。その多くは町民の公金に関わる問題で、私たち屋久島ポスト編集委員会は「不正のない屋久島町政」の実現を目指して取材を続けています。
この1年、屋久島町民の皆さまに配信したニュースのなかから、主なテーマの記事を厳選して、上半期と下半期の2回に分けてお届けします。
【1月】
●鹿児島県屋久島町、工事の進捗を把握せずに放置 補助金申請うそ記載問題
2021年11月、屋久島ポストの報道で発覚した町の水道工事をめぐる補助金不正請求事件。工事が未完成なのにもかかわらず、すべての工事が終わったと国に虚偽報告をした不正をめぐり、2022年の新年を迎えたのちも、杜撰な工事管理の実態などが次々と明らかになりました。
【2月】
●町議が所有アパートのリフォーム廃材を廃棄、焼却 屋久島町
●岩山鶴美町議を刑事告発 鹿児島・屋久島町議アパート廃材焼却問題
【左上】廃棄物の焼却について、屋久島町役場で取材を受ける岩山鶴美町議(右、2022年1月25日)
【左下】岩山町議が廃棄した廃棄物(2020年9月14日、屋久島町安房)=町民提供
【右】岩山町議が焼却処分した廃棄物。畳などが燃え残ったまま放置されていた(2021年1月5日、屋久島町安房)=町民提供
屋久島町議会の岩山鶴美町議が産業廃棄物を不法投棄していたことが判明し、詳細な調査を求める陳情書が町議会に出されました。しかし、町議会は岩山町議の「町から許可をもらっていた」とする虚偽の説明を鵜呑みにして、石田尾茂樹町議らが一方的に町民の陳情を却下。その対応を受けて、岩山町議は町民から刑事告発されました。
●荒木町長、公務出張のマイルを「すべて失効」 鹿児島~東京便の13回分が無駄に
荒木町長が公務出張する際に私的な個人カードを使い、航空会社のマイルを大量に貯めていたことが明らかになりました。
【3月】
●厚労省が補助金適正化法違反を認定 屋久島町・補助金書類うそ記載事件
●屋久島町、返還命令の補助金など1668万円を国に納付
屋久島町が国に虚偽報告をして、水道工事の補助金を申請した補助金不正請求事件で、町は厚生労働省から補助金1668万円の返還命令を受けました。しかし、町は補助金返還の法的責任は「工事遅延を招いた工事業者にある」と主張して、町職員による虚偽報告については不問にする方針を示しました。
●屋久島町、公務出張でのマイル加算を禁止へ
荒木町長が公務出張する際に私的な個人カードを使い、航空会社のマイルを大量に貯めていた問題で、町は職員による出張時のマイル加算を禁止することを決めました。
●石田尾議長が「議会取材の自由」を認める案を除外、一転、議運に提案が見送りに 屋久島町議会取材拒否問題
議場取材について質問した町議に対して、手を出して発言を制止する屋久島町議会の石田尾茂樹議長(2021年12月7日、屋久島町議会)
屋久島町議会はマスコミに取材許可を出す一方で、フリージャーナリストらを議場取材から排除し続けています。議場取材を認めるか否かの判断は議長に一任されており、石田尾茂樹議長は頑なにフリー排除の姿勢を貫く姿勢で、大半の町議もその判断を容認しています。
【4月】
●町の「金庫番」会計管理者(会計課長)も不正精算 屋久島町出張旅費不正問題
屋久島町幹部らが不正精算に使った虚偽領収書の一部
屋久島町幹部らによる一連の出張旅費不正問題をめぐり、荒木町長に会計管理者として任命され、町の会計に責任を持つ会計課長(当時)が実費より高額な航空券代が記載された虚偽領収書を提出して、不正精算していたことが判明しました。
●屋久島町、うその検査調書を根拠に工事代金を前払い 屋久島町・補助金不正請求事件
●9業者中、8業者が工事未完成なのに「すべて完成」と報告
屋久島町が国に虚偽報告をして、水道工事の補助金を申請した補助金不正請求事件。町が国に補助金1668万円を返還したのちも、さらに杜撰な工事管理の実態が明らかになりました。
●石田尾議長、独断で全員協議会の一般傍聴を排除 屋久島町議会取材拒否問題
フリージャーナリストらを議場取材から排除している屋久島町議会の石田尾議長が、一般の町民に対しても、独断で傍聴制限をしていたことがわかりました。一部町議や町民からは石田尾議長による「議会の私物化」だと批判が出ています。
【5月】
●現職町議、議長在任中に架空領収書で不正精算 屋久島町出張旅費不正問題
●不正精算14件、すべて同じ旅行会社が領収書を発行
【動画】虚偽領収書について説明を拒否する日高好作町議(2022年5月24日、屋久島町役場)
屋久島町幹部らによる一連の出張旅費不正問題をめぐり、屋久島町議会の議長だった日高好作町議が虚偽領収書で不正精算していたことがわかりました。日高町議は航空券を購入していないにもかかわらず、旅行会社から領収書だけを発行してもらっていました。
●「補助金返還の弁済」を訴え 住民監査請求 屋久島町・補助金不正請求事件
屋久島町が国に虚偽報告をして、水道工事の補助金を申請した補助金不正請求事件をめぐり、不正の経緯と責任の所在を明らかにするため、町民から住民監査請求が出されました。
【6月】
●荒木町長、虚偽領収書を調査せず不問に 屋久島町出張旅費不正問題
●旅費不正の日高好作、岩川俊広の両町議が百条委案に反対し否決
虚偽領収書の不正調査をする百条委員会設置案の賛否について、討論する屋久島町議会の町議たち(2022年6月22日、屋久島町議会)
屋久島町幹部らによる一連の出張旅費不正問題をめぐり、荒木町長と町議会は旅費精算で使われた虚偽領収書について、不正調査をしない姿勢を貫いています。町監査委員が「監査の対象外」とした虚偽領収書について、荒木町長は調査しない方針をあらためて町議会に示しました。そして、さらに町議会は不正調査をする百条委員会の設置案を否決。これで不正調査に対する町議会の反対は4回目となりました。
●町の責任は不問、工事代金の前払いは検証せず 屋久島町・補助金不正請求事件
屋久島町が国に虚偽報告をして、水道工事の補助金を申請した補助金不正請求事件をめぐり、町は幹部や担当職員らの責任を不問にする方針を貫いています。工事が未完成の段階で、工事代金を業者に前払いした問題についても、町は検討委員会で調査や検証をしませんでした。
●屋久島町議会がフリージャーナリストや独立メディアを排除 「閉ざされた議会」を選択 議会取材拒否問題
●フリーや独立メディアの排除ルールに待った
「開かれた議会」を標榜していた屋久島町議会が、一転して「閉ざされた議会」に後退する判断をしました。日本新聞協会などに加盟するマスコミだけに取材を認め、フリージャーナリストらを議会取材から排除することを正式に決めました。