知人社長への贈答3年で38万円分 なぜ必要なのか?【町の宿題④】屋久島町長交際費・住民訴訟
町、社長は親善大使「屋久島いとこ」として「多大な貢献」➡ 地裁、屋久島いとこは「無報酬」なのに「なぜ謝礼?」
2019年に「集中的な贈答」3カ月で約26万円支出
【左】屋久島町の荒木耕治町長【中央】イセエビ(左上)、屋久杉箱入り焼酎(右上)、屋久島産の焼酎(下)【右】屋久杉万年筆
【宿題④】町長の知人である民間会社の社長に高額な贈答を続けているが、なぜ贈り物をする必要があるのか?――。
屋久島町の荒木耕治町長が交際費で国会議員らに高額の贈答をしたのは違法な支出だとして、同町の住民が町を相手取り、荒木町長に贈答で使った約200万円を賠償請求するよう求めた住民訴訟で、鹿児島地裁は9月12日、第4回口頭弁論で町に複数の「宿題」を与えた。いずれも、これまで町が明らかにしてこなかった点に対して、地裁が説明を求めたもので、原告の住民にとっては、新たな事実を知る貴重な機会となる。
その【町の宿題】を詳細に伝える連載の4回目は、荒木町長が知人の社長に高額な贈答を続けている理由について、地裁が詳細な説明を求めたことを紹介する。
屋久島いとこ設置要綱で「報酬は支給しない」と規定
訴訟関係者によると、この日の口頭弁論で裁判官は、町の親善大使「屋久島いとこ」を務める民間会社の社長に対して、荒木町長が高額な贈答を続けているが、なぜ贈り物をする必要があるのか、その理由を説明するように求めた。町の「屋久島いとこ設置要綱」では、屋久島いとこには「報酬は支給しない」と規定されており、裁判官は「無償である人に謝礼をする意味は何か」と質問。また、町が贈答した理由として、社長が高額な寄付を町にしたことを挙げていることから、裁判官はその寄付に関して、さらに詳細な説明を求めたという。
3年間で焼酎121本など 計38万4809円分
住民が証拠提出した贈答記録によると、荒木町長は2019~2021年度の3年間に、知人の社長に対して計121本の焼酎や工芸品、魚介類を8回にわたって贈り、町長交際費から計38万4809円を支出している。
1回に焼酎60本、屋久杉万年筆、屋久杉箱入り焼酎
そのなかでも特に目立つのは、2019年に続けられた「集中的な贈答」だ。
まず、同年4月24日に高級焼酎「三岳原酒」12本で3万2533円、続いて5月23日に焼酎6本で1万6569円、5月24日に「屋久杉万年筆・ボールペンセット」で10万8000円と、立て続けに交際費を支出。そして、6月11日には焼酎60本を10万8630円で贈り、わずか3カ月間で計26万5732円を支出している。
さらに2021年10月には、樹齢1000年を超える屋久杉で製作した特製箱に焼酎「愛子」を入れて、1本を2万4000円で贈答している。
屋久杉箱入り焼酎「愛子」(ふるさと納税ウェブサイト「ふるさとチョイス」より)
入山協力金横領事件で高額寄付「窮状を救ってもらった」
これらの贈答理由について、町は裁判に提出した答弁書のなかで、社長が「屋久島いとこ」として「様々な形で町の振興、発展に寄与」しており、その「多大な町への貢献に対して謝意を示す」ためなどと説明。また、2019年2月に発覚した入山協力金3000万円の横領事件を受け、社長が総額で1100万円の寄付をしたことで、「町の窮状を救ってもらった経緯もある」としている。
住民、高額寄付者への贈答は社長だけで不平等
その町の主張に対し住民は、社長のほかにも高額な寄付をしている個人や団体がいることを踏まえ、「それらの寄付者には一切の贈答をしておらず、社長だけに高額な贈答をしている」と指摘。そして、「そのほかの大勢の寄付者に対して、極めて平等性を欠く対応である」として、社長に対する一連の贈答は違法な支出だと反論している。
次回、第5回口頭弁論は10月31日。それに向けて町は、10月10日までに「宿題」の回答を準備書面で明らかにすることになっている。
■知人社長への全贈答(屋久島ポスト取材分)
・2019年4月
贈答品:焼酎/三岳原酒(720㎖)×12本
金 額:3万2533円
・2019年5月
贈答品:焼酎/三岳(1.8ℓ)×2本、愛子(1.8ℓ)×2本、水ノ森(1.8ℓ)×2本
金 額:1万6569円
・2019年5月
贈答品:屋久杉 万年筆・ボールペンセット
金 額:10万8000円
・2019年6月
贈答品:焼酎/三岳(900㎖)×12本、三岳原酒(720㎖)×12本、愛子(900㎖)×12本、水ノ森(720㎖)×12本、太古屋久の島(900㎖)×12本
金 額:10万8630円
・2019年7月
贈答品:パッションフルーツ(2kg)×3箱
金 額:9072円
・2019年12月
贈答品:ポンカン(5kg)×3箱
金 額:9000円
・2020年3月
贈答品:タンカン(5kg)×3箱
金 額:1万2000円
・2020年6月
贈答品:イセエビ
金 額:2万6373円
・2020年7月
贈答品:パッションフルーツ(2kg)×3箱
金 額:9072円
・2020年12月
贈答品:焼酎/三岳(900㎖)×4本、愛子(900㎖)×4本、水ノ森(720㎖)×4本
・2020年12月
贈答品:ポンカン(5kg)×3箱
金 額:1万1400円
・2021年2月
贈答品:タンカン(5kg)×3箱
金 額:1万2000円
・2021年2月
贈答品:タンカン(5kg)×1箱
金 額:4000円
・2021年5月
贈答品:焼酎/愛子(900㎖)×15本、水ノ森(720㎖)×15本
金 額:4万9690円
・2021年7月
贈答品:パッションフルーツ(2kg)×3箱
金 額:9072円
・2021年10月
贈答品:焼酎/屋久杉箱入り愛子(1.8ℓ)×1本
金 額:2万4000円
・2021年12月
贈答品:ポンカン(5kg)×3箱
金 額:1万1400円
・2022年2月
贈答品:タンカン(5kg)×3箱
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流石に裁判所ですね。鋭い眼力です。
島いとこへの贈り物は異常です。
穿った見方をすれば、その年は選挙が有りました。高額な寄付をしてくれた他の人には贈り物をしていない所をみれば、二人の間には何かしら個人的な関係があったという事が窺われます
兎に角、ダーティな感じを拭いきれ無い。