「宮之浦地区の活力低下を防ぐ」多目的交流センター建設

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町議「町役場周辺に建設すべき」
町長、住民は議論を尽くし「変更は考えていない」

安房大ホール廃止と文化ホール一本化、住民WSの議題にせず

住民WS➃安房地区
公共施設再配置の住民ワークショップで配布された資料。安房地区における施設の議論では、安房総合センターは議題にされず、大ホール廃止の方針も報告されなかった

 屋久島町多目的交流センターは、宮之浦地区における活力の低下を防ぐために建設する――。

 同町が2026年度に着工をめざす文化ホールを備えた同センターについて、荒木耕治町長は611日にあった町議会一般質問で、旧宮之浦支所の閉庁で地域の活力が低下していることなどを踏まえ、建設地を宮之浦地区に決めたことを明らかにした。将来的に町内の文化ホールは同センターに一本化されるため、質問した町議は「(全町民が利用しやすい)町役場の周辺に建設すべきだ」と指摘。それに対し荒木町長は、各種団体の代表や住民らが議論を尽くした結果だとして、「現時点で(建設地の)変更は考えていない」とした。

住民WS➃宮之浦地区
公共施設再配置の住民ワークショップで配布された資料。宮之浦地区における施設についての話し合いでは、文化と体育の施設を統合し、宮之浦に多目的アリーナ(現・多目的交流センター)を建設することを前提に議論が行われた

安房大ホール廃止で南部地域の住民は不便に

 多目的交流センターは、老朽化が進む宮之浦体育館や屋久島離島開発総合センターに代わる施設で、島北部の宮之浦地区に建設。センター内にはコンサートや演劇、スポーツなどができる「ホール兼アリーナ」などが整備される。その一方、島東部の安房地区にある大ホールは廃止され、文化ホールが同センターに一本化されるため、南部地域の住民からは「すべての住民が利用しやすい町役場周辺に建設すべきだ」との声が出ている。

 その声を踏まえ、質問に立った真辺真紀町議は「文化ホールを宮之浦の多目的交流センターに統合するのであれば、(建設)場所は本庁舎同様に(旧上屋久と旧屋久)両町の境目付近が適切ではないか」と指摘した。

安房総合センター

老朽化で大ホールが閉鎖されている屋久島町総合センター(屋久島町安房地区)

町長、旧支所の閉庁で「宮之浦地域の活力の低下は顕著」

 それに対し荒木町長は、各種団体の代表者による協議会や、一般住民が参加したワークショップ(WS)で議論は尽くされており、その結果として「宮之浦体育館横の駐車場付近が最良であるとの意見を得た」と説明。また、選定理由としては「旧宮之浦支所の閉庁に伴う交流人口の減少などによって、(宮之浦)地域の活力の低下が顕著」だとしたうえで、さらに離島開発総合センターと宮之浦体育館が移転してしまうと、「(宮之浦)地域への影響は大きい」と述べた。加えて、同センターは災害時の避難所としての役割もあるため、「現時点で(建設地の)変更は考えていない」と答弁した。

屋久島町長答弁

多目的交流センター整備事業などについて答弁する荒木耕治町長(2024年6月11日、屋久島町議会YouTubeチャンネルより)

町議、安房大ホールの廃止は「WSで住民に問うべき」

 住民が議論を尽くしたとする答弁を受けた真辺町議は、各種団体の代表者でつくる協議会や住民WSでは、安房大ホールの利活用は議題になっていないと指摘。安房大ホールを廃止して、同センターに文化ホールを一本化するのであれば、「WSのなかで住民に問いかけるべきだった」と主張した。
住民WS提言-5
屋久島町公共施設再配置ワークショップ提言書で紹介された第3回WSの内容。
安房総合センターは議題にされなかった一方、多目的アリーナ(現・多目的交流センター)は中央中学校区(宮之浦地区)に建設されることが前提となっていた

総務課長、文化と体育の複合施設は町の方針

 その主張に総務課の三角謙二課長は、旧2町が合併する前の施設は複合化する方針があり、同センターについては「文化および体育の施設として建設する」ことを前提にして、宮之浦地区に整備することになったと述べた。それに対し真辺町議は、安房大ホールは南部地域の住民にとっては「大切な文化施設」だとして、「安房大ホールについて議論せずに、多目的交流センターを複合化することが(議論として)成り立つのか」と疑問を呈した。

総務課長、住民WSで安房大ホールの廃止「報告しなかった」

 あらためて答弁に立った三角課長は、「ホール機能は新施設に集約するという方針があったので、その方針に従ってWSを実施した」としたうえで、WSのなかで安房大ホールを廃止する方針は報告しなかったと述べた。

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  1. 納得出来無い住民

    各種団体の長や住民の代表との間で議論は尽くしたとは、、、、
    安房校区の区長は代表には入っては居ないのか?
    「聞いて居ないし代表として呼ばれてもいない」
    と言っている。メンバーを公にして、開催日時をつまびらかにして、議事録の公開をすべきである。
    余りにも、議会での発言が軽く信用するにはほど遠い。
    強引に事を進めず、もう少し、住民のコンセンサスが必要では有りませんか?

  2. 本当にあった怖い名無し

    は?ちょっと何言ってるか分かりません。
    議論?荒木町長が一方的に曲解して、町民は異議なし!みたいに認識しているだけですよね?
    あと、旧宮之浦役場がなんたらって…町長が町民の顰蹙押し切って、無駄にでかい金で小瀬田に新庁舎を建てたから、閉ざしたのですよね?
    何を言っているのでしょう?

  3. 安房校区民

    宮之浦が活力低下してるって誰が言ってるんでしょう?安房や尾之間に比べたら賑わってると私は思うんですが。箱もの作って宮之浦の活性化だなんて南部の住民は怒りますよ。

  4. 安房校区民

    書き忘れていました。支所がなくなったのは宮之浦だけではありません。尾之間も安房も一緒です。南部地区は合併後から地域の活力が目に見えて低下しています。それを宮之浦を比べられたら南部地区は、たまったものではない。地域活性化を図るなら著しい高齢化で地域のコミュニティーが維持できない、資源を有効活用できない地域を優先しておくなうべきであって屋久島の海の玄関、国や県の機関、高校、病院、銀行が集中している宮之浦を優先して行うという考えは理解できない。この多目的交流センターの計画は白紙に戻し、住民代表者会や区長会で再度検討すべきです。何もかも都合よく勝手に決めて推し進めることは、止めていただきた。町長以外の町執行部、議員さんたちしっかりしてください。

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