安房大ホールは存続、町長が議会で改修方針を明言 宮之浦・多目的交流センター整備事業
荒木町長、大ホール廃止の方針を一転して「できるだけ早く改修したい」
【上】老朽化で大ホールが閉鎖されている屋久島町総合センター(屋久島町安房地区)【下】屋久島町総合センター改修工事の基本設計業務費が計上された補正予算案などについて提案理由を説明する荒木耕治町長(2024年12月11日、屋久島町議会YouTubeチャンネルより)
屋久島東部の安房地区にある屋久島町総合センター大ホールの存続をめぐり、荒木耕治町長は12月12日の町議会一般質問で、現在のような文化施設として使えるように改修する方針を明らかにした。6月定例会で町長は、施設の老朽化などを理由に「(文化)ホールとして使うことは考えていない」としていたが、9月に開かれた住民との意見交換会を踏まえ、一転して施設を存続させる方針に改めた。
この日、一般質問をした真辺真紀町議は、安房大ホールについて「9月26日の住民との意見交換会では、(町長が)『使える方向で改修する』と明言したと聞いている」としたうえで、今後の整備方針を問いただした。
荒木町長「最小限の施設整備を指示している」
答弁に立った荒木町長は、まず施設全体の雨漏りに対する修繕工事をしたのちに、「問題となっている排煙設備の設置が可能であるかを判断する」と説明。その結果を受けて、空調や舞台設備の改修について、「予算やどの程度までの設備にするのかを検討し、過大な投資にならないよう最小限の施設整備を進めるよう指示をしている」と述べた。
さらに荒木町長は、12月定例会に提出した補正予算案で、改修工事の基本設計業務費に約150万円を計上していることを踏まえ、「限られた財源のなかで事業調整を行いながら、できるだけ早く改修できるよう進めていきたい」と答弁した。
文化施設、宮之浦の多目的交流センターに集約する方針を一転
これまで町は、町内に二つある文化施設について、2026年度から島北部の宮之浦地区に建設する予定の「多目的交流センター」に集約する方針だった。だが、安房地区など南部地域の住民から「安房大ホールは南部地域の重要な文化交流の拠点」だとして、改修整備を求める要望が出されたため、荒木町長が方針を一転させる結果となった。