1月末まで1億1550万円、運休が延びた場合は「改めて予算提案する」 フェリー屋久島2運休問題
町、代船運航1回に550万円を支出
➡ 町議「収益250~290万円を引けば半分の負担で済む」➡ 荒木町長、交渉で「粘り強く仕事する」
【左】代船の業務委託費として1億1550万円を盛り込んだ補正予算案について説明する屋久島町の荒木耕治町長(2024年12月20日、屋久島町議会YouTubeチャンネルより)【右上】故障で無期運休中の「フェリー屋久島2」(折田汽船ウェブサイトより)【右下】代船の貨物船「ぶーげんびりあ」(鹿商海運ウェブサイトより)
フェリー屋久島2の代船の運航に1回550万円、12月~1月末までで1億1550万円を負担――。
屋久島町は12月20日、鹿児島市と屋久島を結ぶ「フェリー屋久島2」(折田汽船)が故障で無期運休となっている問題を受けて、代船の「船舶運航及び荷役業務委託費」1億1550万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を提案し、町議会で予算の承認を受けた。今後、町は貨物船「ぶーげんびりあ」を運航する岩崎グループの鹿商海運と業務委託契約を結び、代船としての運航1回に550万円、12月~1月末までの計21回分に1億1550万円を支出。財源は、町の「貯金」にあたる財政調整基金を切り崩して確保する。
代船の業務委託費として1億1550万円を盛り込んだ補正予算案について説明する屋久島町の荒木耕治町長(2024年12月20日、屋久島町議会YouTubeチャンネルより)
町長、業務委託契約で「生活物資等の運送を確実にする」
この日の町議会で荒木耕治町長は、フェリー屋久島2の運航再開にめどが立っていないことを踏まえ、「引き続き(代船として)ぶーげんびりあを運航いただくためには、本町が正式に運航と荷役業務を契約し、コンスタントに生活物資等の運送を確実なものとし、町民の皆さんの安心を得る必要があると判断した」と、補正予算案の提案理由を説明。今後、鹿児島県を通じて鹿商海運と契約の詳細を決めるとしたうえで、「可能な限り早く契約締結し、当面の運航スケジュールを示すなどの対応をする」と述べた。
担当課長、運航は週3回で運休延びれば「改めて予算提案」
また、政策推進課の木原幸治課長は、週3回の運航を依頼する予定で、今回は12月~1月末までの予算措置をしたと説明し、「フェリー屋久島2の(運休)期間が延びた場合には、また改めて予算提案をさせていただきたい」とした。
それらの説明を受けて渡辺博之町議は、代船の運航で250~290万円の収益があることを踏まえ、「(収益分を)差し引けば、約半分の負担で済むのではないか」と指摘。それに対し、荒木町長は「粘り強く、そうゆう形にもっていくのが仕事だろうと思っている」と答弁した。
外国から部品の調達に最長6カ月
12月12日の一般質問で答弁に立った荒木町長によると、10月に折田汽船側が町役場を訪れ、不具合のある部品を外国から調達するのに通常は6カ月かかるが、それを3カ月に短縮するように依頼していると説明があったという。

