いわさきCEO「国も県も行政責任を全うする意識がない」 フェリー屋久島2運休問題

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岩崎芳太郎CEOが「X」に投稿「民間業者は公的責任を肩代わりする立場ではない」

国と県の財政支援なく、町が運航1回に340万円負担

【下】代船として運航している貨物船「ぶーげんびりあ」(鹿商海運ウェブサイトより)

   屋久島町と鹿児島市を結ぶ「フェリー屋久島2」(折田汽船)が故障で無期運休となっている問題をめぐり、代船の運航会社を傘下にもつ「いわさきコーポレーション」の岩崎芳太郎CEO(最高経営責任者)が、代船運航に対して財政支援をしない国と鹿児島県の責任について、自身の「X」に投稿している。公共交通を担う民間業者には限界があり、公的責任を肩代わりする立場ではないと主張し、「国も県も真に行政としての責任を全うしようと言う意識がなくなっている」と批判している。

町、4カ月で計1億7340万円支出の見込み

 昨年10月に「フェリー屋久島2」が運休して以降、いわさきグループの鹿商海運が代船として貨物船「ぶーげんびりあ」を運航し、屋久島と鹿児島本土との物流を支援。町が開示した記録文書によると、県や町などとの協議で岩崎CEOは、代船運航費は町の負担ではなく、国と県が財政的な支援をするべきだと主張してきたという。だが、国と県が財政支援に動くことはなく、町が運航1回につき340万円を負担し、昨年11月~今年3月の4カ月間で1億7340万円の支出を見込んでいる。

無期運休中の「フェリー屋久島2」(折田汽船ウェブサイトより)

「X」投稿、荒木町長に「国と県に働きかけろとハッパ」

 国と県から財政支援がない状況を受けて、岩崎CEOは昨年12月7日に「X」へ投稿し、国や県、町に対して、代船運航の体制を財政的に裏付けるための協議を早急にするように求めたが、行政側に「切迫感」はなく、12月に入っても「公式な回答はありません」と説明。さらに、個人的に「親しい」という荒木耕治町長には、「当事者意識を持って県や国にしっかり働きかけろとハッパをかけました」という。

本土と種子屋久の航路は「民間の投資で維持」

 それを踏まえ、「フェリー屋久島2」を運航する折田汽船について、民間業者には限界があるために「我が社に協力を依頼」したとして、「いくら公共交通事業者であっても民間である限り公的責任を国や県や町から肩代わりしなければならない立場ではありません」と主張。さらに、民間の投資だけで鹿児島本土と種子島・屋久島の航路が維持されており、島民は「それが空気と同じで当たり前に存在するもの」と考えているとした。

国と県が負うべき「つけ」が民間業者や島民に回っている

 さらに、岩崎CEOは「国も県も真に行政としての責任を全うしようと言う意識がなくなっています」としたうえで、その「つけ」が民間業者や島民、市民などに回っていると指摘。全国にある離島航路の多くが民間で維持されていることを踏まえ、「国土交通省が、総務省が、日本の過疎地の離島の交通を本当になんとかする気がないことを先ずは知事や政治家に理解させないと皆さんは生活できなくなります」と訴えている。

■岩崎芳太郎CEOの「X」投稿

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