代船運航費の町負担、さらに最大で1億7600万円の見込み フェリー屋久島2運休問題
町、2~3月分の代船運航費の予算案を提出へ
➡ 12~1月分の1億1550万円含めて計3億円近くになる可能性も
【上】長期運休している「フェリー屋久島2」(折田汽船ウェブサイトより)【下】屋久島町役場
屋久島町と鹿児島市を結ぶ「フェリー屋久島2」(折田汽船)が故障で無期運休となっている問題をめぐり、町が2~3月の代船運航費を支出するため、2月6日の臨時議会に補正予算案を提出することが1月27日、町政策推進課への取材でわかった。最終の予算額は検討中だが、最大で1億7600万円程度になるとみられる。財源は町の「貯金」にあたる財政調整基金を切り崩して確保するが、すでに予算計上している12~1月分の1億1550万円も含めると、代船運航費の合計は3億円近くになる可能性がある。
代船の貨物船「ぶーげんびりあ」(鹿商海運ウェブサイトより)
2月以降、週1日増便で週4日の運航へ
フェリー屋久島2は2024年10月から運休し、町は12月から代船「ぶーげんびりあ」(鹿商海運)の「船舶運航及び荷役業務委託費」として、運航1回につき550万円を負担している。週3回の運航で、12~1月は計21回分で1億1550万円となり、町は町議会12月定例会で予算の承認を受けている。
町政策推進課によると、フェリー屋久島2の運休が3月中まで続く見込みのため、町は2月6日の臨時議会に、2~3月分の運航費を盛り込んだ補正予算案を提出する。最終の予算額は検討中だが、2月からは週4日の運航になるため、週3日だった12~1月よりも予算額が増える見込みだという。
2~3月の代船運航、最多で計8週間に32回
フェリー屋久島2の欠航が3月末まで続いた場合、2~3月の代船運航は、最も多くて計8週間で32回となる。運航1回の費用は550万円なので、最大で32回分を負担すると、その合計は1億7600万円。12~1月分の1億1550万円を合わせると、町が支出する代船運航費は合計で3億近くになる可能性がある。
財源の貯金、2024年3月の残高は22億8744万円
代船運航費の財源は、町の「貯金」にあたる財政調整基金を切り崩して確保する。町の財務資料によると、財政調整基金の残高は、2024年3月末時点で22億8744万6000円となっている。