屋久島町議会がフリージャーナリストや独立メディアを排除 「閉ざされた議会」を選択 議会取材拒否問題

yakushima-post

「マスコミだけに便宜」の基準を決定 「取材の自由」を認めず

石田尾茂樹議長が主導

屋久島ポスト「時代に逆行する決定」


石田尾議長制止

議員席から取材拒否の理由を問われた後、手を出して発言を制止する石田尾茂樹議長。この後、屋久島ポストのカメラは議場から排除された(2021127日、屋久島町役場議会棟)

 屋久島町議会は目標に掲げていた「開かれた議会」から「閉ざされた議会」へ大きく後退することになった──。同町議会は524日に議会運営委員会(日高好作委員長)を開き、フリージャーナリストや独立メディアを排除し、新聞社やテレビ局などのマスコミだけに議会取材の便宜を供与する方針を決定した。議運委員長を除く委員6人のうち5人が、プレスの自由(Press
Freedom)
の根幹をなす「取材の自由」を認めない異例の決定となった。67日の議運で正式決定する。

「取材の自由」に賛成はたった1

 この日、議運が決定したのは傍聴規則の取扱要綱。取材許可を議長権限とする傍聴規則の判断基準を新たに定めた。採決の結果、「自由に撮影と録音を許可」の案は否決され、「日本新聞協会会員社、日本民間放送連盟加盟社及び専門新聞協会加盟社に属する者▽議長が認める者」の案が採択された。フリージャーナリストや独立メディアには議場で撮影や録音を禁止して、「取材の自由」を認めなかった。

 「取材の自由」を認めなかったのは、議運委員の岩川卓誉、中馬慎一郎、榎光德、緒方健太、大角利成の各町議の5人。真辺真紀町議1人だけが「取材の自由」を認めることに賛成した。

 石田尾茂樹議長は屋久島ポストの取材に対して、「議長が認める者」の判断基準は「日本新聞協会などの加盟社になる」と説明。新聞社やテレビ局などのマスコミ以外は議会取材ができないことになった。

岩川卓誉町議、一転して「取材の自由」を認めず

 採決前の討論で、榎光徳町議は「日本新聞協会などの日本を代表する団体には、しっかりとした倫理規程がある」と、マスコミだけに議会取材を許可すべきだと主張した。

 岩川卓誉町議は、これまでの議運で、フリージャーナリストや独立メディアを含めて自由に撮影と録音を許可することに賛同する意見を述べ、この日も自由に取材ができるように傍聴規則を改めるべきだと主張した。

 ところが、傍聴規則を改正しないことが賛成多数で決まり、傍聴規則の取扱要綱を改正する審議に入ると、一転して「取材の自由」を認めない案に賛同した。

 岩川町議は、日本新聞協会などの加盟社だけでは「(傍聴規則で議長権限としている)今より範囲が狭まるので、開かれた議会からは逆行すると思う」と述べたうえで、マスコミだけに便宜を図る案に加え、すでに傍聴規則で定められている「議長が認める者」を入れる修正案を提案した。

 一方、真辺真紀町議は、日本新聞協会などの加盟社に限定することは「非常に時代錯誤で、とても恥ずかしいこと。一般も報道も区別することはない」と述べ、一貫して「取材の自由」を認めるべきだと主張した。

議運で提案された3案と賛同者(敬称略)

「日本新聞協会会員社、日本民間放送連盟加盟社及び専門新聞協会加盟社に属する者」=榎光徳、大角利成

「日本新聞協会会員社、日本民間放送連盟加盟社及び専門新聞協会加盟社に属する者▽議長が認める者」=岩川卓誉、中馬慎一郎、緒方健太

「自由に撮影と録音を許可」=真辺真紀

*日高好作町議は委員長のため採決に参加していない。

議会取材禁止1

議会取材について石田尾茂樹議長(左)と話し合う屋久島ポストの鹿島幹男共同代表(手前右)。この時は「特例」で取材が認められたが、2021年12月以降は取材拒否が続いている (2021年11月26日、屋久島町役場)

石田尾議長の取材拒否に抗議し、ルール化を検討

 議会取材ルールの見直しは、石田尾議長が202112月、取材中の屋久島ポストを議場から排除したことをきっかけに始まった。同町議会の傍聴規則では、撮影と録音の許可は議長権限とされているが、可否を判断する基準がないため、屋久島ポストは「議長の恣意的な判断で、プレスの自由の根幹となる取材の自由が侵害されている」と抗議していた。

 それを受け、議運での検討が始まったが、関係者によると、当初あった「日本新聞協会などの加盟社に限定」と「自由に撮影と録音を許可」の2案のうち、石田尾議長の意向で後者の自由に許可する案は排除されていた。

 議長主導で「取材の自由」を制限し、プレスの自由を侵害する方針が決まった。

屋久島ポスト・鹿島共同代表「マスコミ以外の取材者を排除する差別的な議会」と批判

 今回の決定について、屋久島ポストの鹿島幹男共同代表は「多くの地方議会がネットで配信され、自由に取材が認められる流れが進む中で、時代に逆行する決定だ。マスコミに属さない取材者には『取材倫理がない』というような主張も極めて差別的で、社会における多様な職業のあり方を否定する考え方だ」と批判している。

正常に戻れ へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

  1. 正常に戻れ

    「開かれた議会」を標榜して就任した議長は、全く逆の道を進んでいます。
    議会の審議によほど自信がない証拠です。何を守っているのでしょう。
    公開が原則の議会の取材をフリージャーナリストや独立メディアなどに認めない理由は何でしょうか?
    「新聞協会には倫理規程」があるからと、その理由を挙げていますが、これではマスコミに属さないで取材をしている人たちには倫理感がないと言って、侮辱しているのと同じです。
    むしろ、倫理観が欠如しているのは屋久島町議会です。
    歴代の議長3人が虚偽の領収書で不正精算をしたうえ、それを議会が調査もせずに放置して、見て見ぬふりをしている。
    これほど政治倫理の欠片もない屋久島町議会にだけは、言われたくない言葉です。
    一部の議員の影響を受け、自身の意見を封殺されて信念を曲げる新人や若手の議員もいて、期待が持てない議会になってしまいました。
    「屋久島ポスト」の目があるからこそ、辛うじて町政の平穏が保たれていると感じています。

  2. 安房よかにせ

    「正常に戻れ」さんへ
    おっしゃっていること、私もまったく同感です。
    特に、榎光徳町議の「日本新聞協会などの日本を代表する団体には、しっかりとした倫理規程がある」との発言。恥ずかしくもなく、よくこんなことが言えますね。
    この人は、情報送り手側の「表現の自由」と情報受け取り側の「知る権利」は、日本国憲法第21条によって保障されているのをご存じないのでしょうか?
    ところで、これだけは言っておきます。
    「屋久島ポスト」は、決して記事を捏造しているわけではありません。
    屋久島町の議会や行政内部で今起きている事実を報じているだけです。
    報じられたくなかったら、疑われるようなことをしなければいいだけの話です。
    もし、屋久島独自の「週刊やくしま」や「屋久島テレビ」がこの島にあったら、最近「屋久島ポスト」が報じている町議の出張旅費不正問題や、このことに関する監査委員の問題意識の低さなどが「週刊やくしま」は勿論、「屋久島テレビ」のワイドショーなどで連日のように報じられているはずです。
    その結果、テレビや週刊誌を通じて多くの町民がその事実を知ることになったら、今のような対応の仕方では到底済まされなくなるはずです。
    旧態依然とした価値観に胡坐をかいて、ひたすら議会議員の既得権益を守ることだけに注力しているようでは、開かれた屋久島町議会など夢のまた夢と言わざるを得ません。

  3. 有権者1

    そもそもが「公金不正請求着服」「補助金不正虚偽申請受領」など、自分らが撒いた種です。
    さらには不正を追及すベき町議会が町長派に肩入れしている現状では、今後も正常な町政を行えるわけがありません。
    なぜ、一丸となって不正を擁護するのでしょうか?
    擁護せざるを得ない裏事情でもあるのでしょうか?
    町議の年間手当はいくらでしょうか? 一般町民の年収より多いのではないでしょうか?
    不正を擁護することが本来の仕事ではないのに、貴重な公金をその手当として支給している現実に辟易しています。
    ろくに何もせず手当が貰えるなら、私も町議になりたいです。
    トップ当選の方、元の上司らに反旗を翻し頑張れますか?
    今後も高みの見物とします。
    できない、やらない、やれないことは、公約に掲げないでほしいです。
    何とも情けないの屋久島町政です。

  4. 後中宏明

    地方議会にしては非常に早い対応をしましたね。
    正に国政のコピー😡
    ある意味、屋久島の皆さんは全国に誇ってよいのではないでしょうか。
    次は改竄と隠蔽ですね😅
    あぁ、改竄は既に経験済みですか⁉️(笑)

関連記事
これらの記事も読まれています
記事URLをコピーしました